健康保険証第一号来る

会社を設立後に速攻で行うべきことは法人として社会保険に加入することで「設立後5日以内」に担当の役所(現在は年金事務所)に届け出すべしとなっています。被保険者となる社員・役員の側としても、健康保険証を携帯してないのは不安なものですから、これは大事です。(少額なら全額払って後で清算でも気になりませんが)

あれ?でも設立日(法務局への登記書類提出日)から登記が完了するまでの日数は不定だし、届け出書に記入を求められている法人番号は登記が完了してもらえるわけです。当社は4月1日に設立、登記完了が3日でした(これすら正式には法務局は教えてくれないのですが、別件でのちょっとした電話のやりとりの後、担当のお姉さまがこっそりもやっと…)。まあ、法人検索サイトで見ればわかるんですが、これにもちょっとタイムラグがある。検索して登記完了が確認できたのは夕方でした。

2020年4月3日は金曜日でしたから、土日をはさんで6日月曜が、登記から5日目にあたります。それが公式デッドライン。ですが、例えば登記が年末年始やゴールデンウィーク前日だったらどうなるんでしょう?規定には、5日間ルールにおいて役所の休日を除くとは書いてないのです。

ぱっと見にどうみてもおかしなルールです。それで、年金事務所に電話して聞いたところ、まあそういう杓子定規な事は無い、みたいななまぬるい回答を頂きました。大丈夫なのかなこの制度(笑)

それはともかく、一日も早く保険証が欲しかったので、ネットで検索して知ったとおり、届け出書類(保険新規適用届)を地元の年金事務所ではなく埼玉のセンターに郵便で直送。かつ、被保険者として私の申請も同封(これは知っててよかった。手間と所要時間の大幅節約)。自動振替え申請は銀行に行くのが面倒だったので(てかまだ法人口座無かったし)見送りでした(クレジットで払えるとよいのに…)

あとは保険証が届くのを待つのみですが、4月は新規の申請が集中するので、かなり時間がかかるとの事。次にお医者さんに行くまでに間に合うかしら?と心配していたのですが、その後本業に没頭しているうちに忘れていました。会社への適用通知(株式会社なので強制適用事務所です)については、4月13日付確認のものが届いていました。

そして今日、会社の郵便受けを見ると、協会けんぽからの封書が!
中にこれが入ってました↓

おお、これがその噂に聞いていた水色の保険証かあ。燦然と輝く「番号1」。すばらしい。でも、いつかは違う色のを持てるといなあ。 夢のITS健保組合 (^-^)。

というわけで、届け出(郵送)から10日間で交付され、保険証カードが手元に届いたのは2週間後。思ったよりスピーディでした。

あとは、なんといいますか、会社設立(にかかわる単純作業の分)の手引きやサービス等、ネットで検索して出てくる多くが、こけおどし、ひっかけ、我田引水、知らしむべからず依らしむべしだと感じました。わかりにくいのは、ルールのほうが変だからです (屋上屋九龍城状態時代錯誤) 。実際にはとてもカンタン(面倒だけど高次脳機能が不要という意味で)だったし、わからない事があれば担当部署に直接出向くか電話して聞く(電子メールという文明がまだ導入されてない、もしくは意図的に回避されているらしく)のが最も良い(おおむねが驚くほど親切。特に女性の方々は)と思いました。

登記においてひとつ失敗したなと思うのは、なにげにメニューを選ばされ電子公告のURLを某社のサイトにしてしまったことです。これを変更するのはちょっとまたひと手間ですが、まあそれも一つのエンタメかなと。

それはそうと、健康保険証も免許証も身分証も何もかも、スマホにデータとして入れて使えると良いですね。今で言えばQRコードをぴっとかざせばOK。 紛失や盗難で困ることもないし。 使用時に指紋認証か何かすれば良いから、現在よりもずっとセキュア。どこで使われたか立ちどころにわかりますしね。便利すぎるものはセキュリティ・プライバシーの落とし穴、という一般則はありますが。まあ遅かれ早かれそういう世界になるんじゃないですかねえ。

2020-0422 sato@izmoh

わが社にもギガビット回線が来た

まがりなりにも株式会社たるもの、インターネット接続がメガ単位ではいかん。というような動機ではなく実際の必要性から、遅まきながら回線を1ギガにしました(これまで大家さんの100メガにまがりしてました…)

映像配信など趣味の世界ではもう当たり前の世界なのでしょう。おかげ様で、ギガビットのインターネットなんていうひと昔まえには夢のようだったものが、月数千円で使えるようになりました。

必要性、というのは、遠隔のネットワークドライブを使うためです。経営の方針から、わが社の中央コンピュータに内蔵するディスクは250GBのSSDのみとしています(10万円未満で買えたWin10 Pro入りのレノボ機(これって最高!)の仕様でした)。

実際のところ、わが社で頻繁に使うファイルの総量はその程度のもので、他は外付けポータブルでもリモートであっても構わないのです。クラウド上の各社ドライブは、月1000円位の本来サービスに、おまけで1TBついてくる時代になりました(MS365のおまけOneDriveとか)。もちろんクラッシュの心配もないので、自前のバックアップも不要です。

ただ心配なのがアクセス速度です。10数年前、ギガビットLANの到来とともに100MB/秒でのアクセスできるようになり、ローカルディスクと比べて大きなストレスも感じずに使えるNASがブレークしました。それは100Mbpsの時代には無理でした(まあふた昔前はディスクI/Oは10MB/秒という時代でしたので、ぜいたくな話ではあるのですが)

昔話はともかく、速度を図ってみました。まず100Mbpsネット。

なかなかのものです。看板に偽りなし。実際これを2年くらい使いましたが、ストレスを感じたことはほぼありませんでした。少なくとも前の職場のネットより快適で(^-^)ノシ
そして、ギガビットネット。

おおー、立派立派。それにしてもこのfast.comって偉い。このユーザインタフェースは素晴らしい。しかし、いったいどういう経路になっているのでしょう?

$ tracert fast.com
Tracing route to fast.com [2600:1417:5d:280::24fe]
over a maximum of 30 hops:
1 <1 ms <1 ms <1 ms its-more [240b:11:cc01:0:0123:0123:abcd:abcd]
2 2 ms 2 ms 5 ms 240b:11:cc01::fffe
3 * * * Request timed out.
4 * * * Request timed out.
5 * * * Request timed out.
6 5 ms 4 ms 4 ms 2404:9200:225:1::1
7 5 ms * * 2001:268:fa00:29c::1
8 * * * Request timed out.
9 5 ms 5 ms 4 ms 2001:268:fc02:52::2
10 4 ms 4 ms 4 ms g2600-1417-005d-0280-0000-0000-0000-24fe.deploy.
static.akamaitechnologies.com [2600:1417:5d:280::24fe]
Trace complete.

どこまでもRTTが5msというのも、世の中が全部IPv6になっているのにも、今更ですが驚きです。Windowsにtracerouteがあるというのにも(^-^)Cygwinで見つからないのでどうしたのかと思いました。

とはいえ、基礎的な通信速度がいくらすごくても輻輳したりなんやかやで律速されて、実際のデータ転送速度は数メガバイト/秒程度(良くても50Mbps以下)がせいぜいというのはありがちな話です。それで、まずは Google Drive (File Stream) で測ってみました。

すると驚きの結果が!これこのような↓

まじで250Mbps出てるですけど…
(いやそもそもこの250って、手元のルータで律速されてやしまいか?)

送り込んでいるデータのサイズは1GBです。圧縮マジックにかからないように乱数を書きこんでいます。(openssl rand 1000000000 > xxx。なお、このCPUでの rand の生成速度は 500MB/秒以上です)。当然ローカルにキャッシュはしているでしょう。見た目に書き込みが終了してから実際に転送が始まるまでに10秒くらい何かしています。

もっとでかいデータを書いてみるとどうかな?とりあえず rand は 32ビット整数の縛りで 2GB しか生成できないみたいなので、生成したファイルを複数 cat して送ってみましたが、やはり回線の使用状況は同じようでした。あとは、ランダムアクセスに耐えるかというところですね。まあ、Stream って名前なので、過度の期待はしませんが…

ただいずれにしても、回線の速度をフルに使いきっているのがすごい感じ。UDPなの?

では他社はどうか?つぎは OneDrive。なんだか凸凹してる↓

いかにもMicrosoftらしく、何か余計な考え事をしているようです。


そしてDropbox。ほとんど200Mbpsに達せず、気合が足りない感じ↓


では複数並列にやったり、各社ドライブ間でやり取りするとどうなるでしょう?

★★★★★ 瞬間最高400Gbps出ました ★★★★
疑ってごめんなさいルータさん。測定の誤差というレベルではないようです。

各種アプリや文書データだけなら、ローカルの256GB SSDに収まりそうなんですが、多数の仮想マシン用のディスクを収容するのは無理です。なにしろ推奨最小が20GBですから。そこでクラウドに置くことにすると、スナップショットを取るのにかかる時間はなんとかなりそうですが、仮想ディスクから実ディスクへのランダム読み書きがどの程度発生するのかが心配です。わが社のマシンは、上の画面にあるように、メモリも8GBしかないからそれはもうー

ディスクの sync 中に手元のPCがクラッシュしたりネットが落ちたりしたらどうなるんだろうかというのも心配というか、興味があるところです。上の画面のように、当社はVMwareユーザなのですが、VMwareの仮想マシンの仮想ディスクとか最近の版でもカンタンに壊れてしまうので、実マシンでのネットドライブに限ったことではないですが。Hyper-Vはどうなのかなとか。それが Windows Pro にした理由の一つでしたし。

ギガビット・インターネットは実用として重要ですが、とりあえずそれ自体がとってもエンタメです。というか、先週4種類試した、WebDavやSFTPをベースにした仮想ドライブソフト達ががあまりにもダメダメだったので、ネットワークドライブというものに疑念を持ってしまっていましたが、今日、大手のクラウドドライブの実力に頭が下がりました。

単なるファイル転送プロトコルとしてのFTPの役割は完全に終焉しました。各種バイナリの配布(特に isoファイルとか)にしても何にしても、リードオンリーなファイルはHTTPで配るとかでなく、クラウドのドライブにぽんとおいておけばよいのではないかと思われます。改ざんしたファイルと区別の付かないハッシュ値とかじゃなく、ちゃんと電子署名して。

2020-0422 sato@izmoh